妊婦の不安定な気持ちと、夫として寄り添うということ

妊娠は喜びに満ちた出来事である一方で、妊婦さんの心は驚くほど揺れ動きます。
体調の変化だけでなく、見えない不安、言葉にしにくい恐怖、社会との関わり方――。
今回は、わが家の妻が実際に抱えてきた「妊婦の不安定な気持ち」についてご紹介します。

■ お腹の中のわが子は生きているのか

妊娠が分かってからしばらくの間、妻は何度もこう口にしていました。

「赤ちゃん、生きてるかな…」

妊娠初期は胎動もなく、外からは何も分からない。
唯一の安心材料は、定期妊婦検診の超音波検査だけでした。

検診の日が近づくと少し安心し、終わった直後はホッとする。
でも数日経つとまた不安が押し寄せる。
その繰り返しでした。

最近では、個人でも使える家庭用エコーが販売されています。
妻も「これで毎日、生存確認したい」と言うほどでした。

夫として、妻の気持ちは痛いほど分かります。
不安を少しでも減らしたい、そのためにできることは何でもしたい。
僕は基本的に妻の意見を尊重し、希望に沿うように努めています。

しかし、この件に関しては慎重にならざるを得ませんでした。
家庭用エコーは医療用とは違い、性能や使い方によっては赤ちゃんが映らないこともある。
実際にSNSや口コミを見てみると、
「映らなくて逆に不安になった」
「かえってストレスになった」
という声が少なくありません。

不安を減らすための道具が、不安を増やす可能性がある。
そのリスクを考えると、僕は簡単に「買おう」とは言えませんでした。

■ 胎動が不安を溶かしていく

妊娠後期に入り、胎動を感じるようになってから、妻の不安は少しずつ和らいでいきました。

「今日も元気に動いてる」
「さっきお腹をパンチしてたよ」

そんな言葉を聞くたびに、僕も安心しました。
お腹の中の命を“感じられる”というのは、妊婦さんにとって大きな支えになるのだと実感しました。

■ 今度は「切迫早産」の不安

しかし、妊娠中の不安は一つ消えるとまた別の形で現れます。

妻は夜勤や立ち仕事が多く、妊娠後期に入った最近は
「切迫早産にならないかな…」
と心配するようになりました。

妊婦さんは、
流産、感染症、つわり、周囲の視線、労働環境――
あらゆるものが不安の種になり得ます。

僕はつい「仕事なんて休めばいいじゃない」と言いそうになるのですが、
妻の気持ちを考えると、その言葉を簡単に口にすることはできません。

できることを減らしたくない。
社会とのつながりを持ち続けたい。
簡単に諦めたくない。
弱い自分になりたくない。

そんな妻の想いを知っているからこそ、
僕はただ「休めばいい」と言うだけでは、妻の心に寄り添えないと感じています。

だから今は、
妻の不安に寄り添い、共に考え、心の支えになること
それに徹しています。

■ 新婚旅行で気づいた、妊婦の心の揺れ

妊娠が分かったのは、新婚旅行の直前でした。
行き先はバリ。
僕は旅行の取りやめや国内旅行への変更を提案しましたが、
妻は「せっかく予約したから」と予定通り行くことに。

しかし3日目の夜中、隣で静かに涙を流している妻に気づきました。

「流産して、赤ちゃんがトイレに流れてきちゃったのか…?」
そんな最悪の想像が頭をよぎり、恐る恐る声をかけました。

「どうしたの…?」

すると妻は、涙をこぼしながら
「ごはんが合わなくてつらい、日本に帰りたい…」
と。

その瞬間、僕は心の底から安堵しました。
同時に、妊娠中の感情の揺れは、本人にもコントロールできないほど大きいのだと痛感しました。
今振り返ると少し笑ってしまいますね。

この経験は、「妻の感情の起伏に振り回されても、寄り添う気持ちを忘れない」
という僕の姿勢の原点になっています。

■ 妊婦の不安は“弱さ”ではない

妊婦さんは、毎日、見えない不安と戦っています。
それは決して“弱さ”ではなく、
命を守るために本能が働いている証拠なのではないかと思います。

夫としてできることは、
不安を否定しないこと。
解決を急がないこと。
寄り添い続けること。

妊婦さんの不安定な気持ちは、決して特別なものではありません。
むしろ、誰もが通る“自然な揺れ”です。
このブログを通して、同じように悩むパパさんたちと一緒に、
どう寄り添い、どう支えていくかを考えていけたら嬉しいです。

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